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村松 康司; 山下 満*; 元山 宗之*; Denlinger, J. D.*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*
Spectrochimica Acta, Part B, 59(8), p.1317 - 1322, 2004/08
被引用回数:2 パーセンタイル:10.2(Spectroscopy)電子線マイクロアナライザーで測定したグラファイトのCKX線発光スペクトルについて、そのスペクトル形状の偏光依存性を議論した。スペクトルの解析には分子軌道計算を用い、その結果をいぶし瓦表面炭素の構造解析に応用した。
河合 信之輔*; 藤村 陽*; 梶本 興亜*; 高柳 敏幸
Journal of Chemical Physics, 120(14), p.6430 - 6438, 2004/04
被引用回数:8 パーセンタイル:25.17(Chemistry, Physical)O(D)+NO反応で生成するNO(v=0,1,2)の回転状態の分布を測定した。回転温度はおよそ20000Kであり、分布は位相空間理論で予想されるものに近いことがわかった。この結果は、反応中間体の寿命がそれほど長くはないが、分布はほぼ統計的であることを意味する。しかしながら、回転量子数の大きな場合には、分布は位相空間理論で予想されるよりも早く減衰した。このことを理解するため、分子軌道計算に基づいたポテンシャル曲面を用いて古典軌道計算を行った。その結果、実験で得られた高い回転量子数の分布が反応出口領域のポテンシャルの影響を強く受けることがわかった。
岡本 穏治*; 望月 祐志*; 津島 悟*
Chemical Physics Letters, 373(1-2), p.213 - 217, 2003/05
被引用回数:8 パーセンタイル:24.96(Chemistry, Physical)4価トリウムイオンは、pHが3よりも大きい条件では容易に加水分解反応(Th+4HOTh(OH)+2HO)を起こすことが古くから知られているが、反応の活性障壁,反応熱,電子分布の変化などの詳細については未知のまま残されていた。本研究では、非経験的分子軌道計算により、トリウムイオンと水の集合体から成るクラスターモデルを系統的に拡大させながら、反応をシミュレートした。計算から、反応が大きな発熱を伴うこと,始原系に近い遷移状態構造を持つこと,協調的に電子移動が起きることなどが示された。
舘脇 洋*; 望月 祐志*
Theoretical Chemistry Accounts, 109(1), p.40 - 42, 2003/01
被引用回数:23 パーセンタイル:52.43(Chemistry, Physical)Dirac-Hartree-Fockを始め、4成分の相対論的分子軌道計算を行うにあたって、変分崩壊を起こしにくく、またいわゆる「基底関数重ね合わせ誤差」の少ない基底関数の選択は重要である。しかし、4成分計算は計算コストが高いために、非対称論系の基底に比して選択すべき候補も少なく、また検証も未だ進んでいない。本論文ではこうした状況をふまえ、キュリウムとその弗化物を例に取り、基底関数選択にあたっての注意点を考察し、簡潔にまとめた。
中沢 哲也; 横山 啓一; Grismanovs, V.*; 片野 吉男*; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part2), p.1436 - 1440, 2002/12
被引用回数:1 パーセンタイル:10.15(Materials Science, Multidisciplinary)本研究ではリチウムシリケイトからのトリチウム放出に関する基礎的な知見を得るために非経験的分子軌道計算を用いてリチウムシリケイトとAl添加リチウムシリケイトの表面水酸基とHの同位体交換反応について調べた。計算はGaussian98を用いてHF/3-21G, HF/6-31G**, MP2/6-31G**の理論レベルで行った。HSiOHをシリケイトガラスにおける表面水酸基のモデルとして、HSi(OH)Al(H)OSiH はAlを含んでいるシリカガラスの表面水酸基のモデルとして選んだ。各クラスターとH2の交換反応に対して計算されたHF/6-31G**活性化エネルギーはそれぞれ88.1と42.7kcal/molである。活性化エネルギーのこのような減少はAl原子の相互作用に起因した表面水酸基の電荷の変化と関連している。各原子の電荷をMulliken population解析によって求めた。その結果、表面水素原子のイオン性が表面水酸基に対するAl原子の直接の相互作用によって増加していた。他の理論レベルにおいても同様の結果が得られた。得られた計算結果はAl原子の相互作用によってリチウムシリケイトの表面水酸基とHの交換反応がより低い温度で行われることを示唆している。
中沢 哲也; 横山 啓一; Grismanovs, V.*; 片野 吉男*; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 302(2-3), p.165 - 174, 2002/04
被引用回数:3 パーセンタイル:23.41(Materials Science, Multidisciplinary)本論文では、リチウムシリケイト表面に水酸基の形で存在するトリチウムの放出過程を理解するため、シリカ表面に孤立して存在する水酸基(-OH)と水分子の相互作用と水素放出反応過程について非経験的分子軌道計算により調べた。表面水酸基からの水素放出反応として表面水酸基と水分子の間で起る水素交換反応と水酸基交換反応について検討を行った。その結果、水素放出はシリカ表面水酸基のSi-O結合の切断による水酸基交換反応で起ることが分かった。この水酸基交換反応はプロトン供与体として働く水分子と表面水酸基の複合体において進行する。したがって、シリカ表面からのトリチウム放出は水分子と表面水酸基の間における水素交換反応ではなく、それらの間での水酸基交換反応で進行するものと考えられる。また、この反応の反応エネルギー障壁は24.4kcal/molと計算された。
望月 祐志*; 舘脇 洋*
Chemical Physics, 273(2-3), p.135 - 148, 2001/11
被引用回数:23 パーセンタイル:58.82(Chemistry, Physical)4成分の相対論的分子軌道計算(Dirac-Hartree-Fock,Relativistic M摂動)により、3価のランタノイド,アクチノイドイオンと水分子との錯体を系統的に調べ、イオン-水分子間距離,安定化エネルギーMulliken密度などを評価した。本計算から、相対論効果の大きさ、並びに相対論と電子相関の分離性が示されたほか、錯体における電子的相互作用の描像が明らかになった。
中沢 哲也; 横山 啓一; Grismanovs, V.*; 片野 吉男*
Journal of Nuclear Materials, 297(1), p.69 - 76, 2001/07
被引用回数:9 パーセンタイル:56.08(Materials Science, Multidisciplinary)本研究ではシリカ,シリケイト化合物などの1対の表面水酸基がHO分子を生成して脱離する反応プロセスについて基礎的な知見を得るために非経験的分子軌道計算を用いて調べた。特に、表面水酸基に対するAl原子の直接の相互作用がこの反応に及ぼす影響に関して検討を行った。計算はGaussian98を用いてHF/6-31G**, MP2/6-31G**の理論レベルで行った。表面水酸基におけるHO分子の生成・脱離反応経路に関するエネルギープロフィールを計算により求めた。その結果、表面水酸基に対するAl(OH)ユニットの相互作用によってHO分子の生成や脱離に必要な活性化エネルギーは低下することがわかった。この活性化エネルギーの低下はAl(OH)ユニットの表面水酸基への相互作用による構造変数と電荷分布の変化と密接に関係している。
望月 祐志; gren, H.*
Chemical Physics Letters, 336(5-6), p.451 - 456, 2001/03
被引用回数:14 パーセンタイル:41.27(Chemistry, Physical)シリコン結晶から切り出し、水素終端化したクラスターモデルに対して、並列処理を援用する大規模な線形応答計算を行い、分極率並びに励起エネルギーを評価した。最大のSiHでは静的分極率として3.87Åが得られ、結晶シリコンの実験値3.64-3.76Åによく対応する。
中沢 哲也; 横山 啓一; Grismanous, J.*; 片野 吉男*
Journal of Nuclear Materials, 279(2-3), p.201 - 206, 2000/06
被引用回数:10 パーセンタイル:57.14(Materials Science, Multidisciplinary)本論文ではシリカ表面水酸基の化学的特性に対する他元素(B,Al,Ga)の添加効果や非架橋酸素に配位したリチウム原子の影響を調べた。種々のリチウムシリケイト表面クラスターモデルを用いて表面水素原子がHとして脱離するのに必要なエネルギーと電子状態に対して分子軌道計算を行い検討した。その結果、表面水素原子のイオン性は添加原子の表面酸素への直接相互作用によって強まり、Li原子の非架橋酸素への配位によって弱まることがわかった。また、表面水素原子の脱離エネルギーはそのイオン性の増加に伴い減少することがわかった。
望月 祐志
JAERI-Data/Code 99-015, 21 Pages, 1999/03
代替フロンは、塩素を含まないためフロンに比して「問題が少ない」とされてきているが、温室効果はフロン以上に大きく、また弗素が分解により環境中に放出されるなど、決して自由に放散が許される代替物ではない。したがって、回収、分解等の処置が望まれる。この報告では、OHラジカルを用いた代替フロンの超臨界水中での分解の素過程をHFC-32(2弗化メタン)を例に取り、非経験的分子軌道計算により解析した事例を述べている。分解反応全体としては、大きく発熱的であること、弗化水素の離脱では触媒として、超臨界水条件下で反応物に接した水分子が働くこと、この2点が重要知見だが、計算スキーム時には密度汎関数法の危険性も明らかになった。
中沢 哲也; 八巻 大樹; 野田 健治
Journal of Nuclear Materials, 248, p.121 - 127, 1997/00
被引用回数:9 パーセンタイル:59.76(Materials Science, Multidisciplinary)本研究では、LiSiOの照射損傷の基礎的知見を得るため、120MeV酸素イオンを照射したLiSiOの光音響赤外分光(FT-IR PAS)スペクトルを測定し、分子軌道計算(MNDO)による振動計算を用いて解釈した。照射は室温において、10~10ions/mの範囲で行った。その後、照射した試料のFT-IR PASスペクトルを室温で測定した。その結果、照射前には観測されなかったPASシグナルが1050cm付近に確認された。また、MNDO法による種々のシリケイトクラスターの振動計算の結果と照射した試料のPASスペクトルの比較から、照射により出現した1050cm付近のPASシグナルはSiOシート及びSiO網目構造を持つリチウムシリケイトクラスターの架橋酸素の運動に関連した振動に帰属された。照射に起因した分解及び重合反応が照射領域で起きていると考えられる。
福田 光宏; 奥村 進; 荒川 和夫; 唐沢 孝*
Proc. of the 4th European Particle Accelerator Conf., Vol. 1; EPAC94, 0, p.548 - 550, 1994/00
原研AVFサイクロトロンから引き出したプロトンビームの位相幅をプラスチックシンチレータを用いて測定した。10MeVプロトンビームでは、FWHMで3°という狭いピークが測定された。70MeVプロトンビームでは、位相スリットにより初期位相を切ったときFWHMで7.4°、切らないとき32°の位相幅であることが測定された。内部ビームと外部ビームについての位相分布を軌道計算から求めた結果、外部ビーム位相幅は、実測値と良く一致した。サイクロトロンの1ターン目に位相スリットを入れることにより、FWHMで10°前後に位相を制限することが可能であることを確かめた。
福田 光宏; 荒川 和夫; 中村 義輝; 横田 渉; 奈良 孝幸; 上松 敬; 奥村 進; 石堀 郁夫; 唐沢 孝*
Proceedings of 13th International Conference on Cyclotrons and Their Applications, p.423 - 426, 1993/00
原研AVFサイクロトロンは住友重機械工業株式会社製の930型のサイクロトロンである。この型のサイクロトロンは、CYCLONE(ルーバン大、ベルギー)と基本的な部分は同じものである。しかし、原研AVFサイクロトロンの場合、陽子90MeVを加速するために、入射系、引出し系、電磁石、RFシステムを改良した設計になっている。講演では、垂直入射部、中心領域、引出し系についての設計を紹介するとともに、サイクロトロン本体での加速ビーム軌道計算の結果やビームスタディでえられたサイクロトロンの性能を発表する。
小川 雅生*
PNC TJ1607 91-001, 14 Pages, 1991/03
中性子の少ない核融合反応を用いてエネルギーを取り出すことを指向した研究の初期段階を行なった。本研究ではエネルギーが1020keVの重陽子分子イオンビームを入射し、解離した原子イオンをミラー磁場の中に閉じ込めるための基礎実験装置の設計を進めた。装置の設計に必要な情報を得るために、ビーム軌道のシミュレーションを行なった。
小原 祥裕
JAERI-M 6757, 33 Pages, 1976/10
イオン源のビ-ム引出し電極の最適構造を求める為に、ビ-ム軌道計算コ-ドを開発した。イオンを放出する粒子放出面は、その表面近傍でプラズマ飽和電流と空間電荷制限電流とが等しくなる様に自動的に決定される。また、ソ-スプラズマのイオン温度、電子温度及び電極孔内壁とソ-スプラズマとの間のシ-スの厚さを考慮する事ができる。接地電極下の零ポテンシャル面を通過したビ-ムは、ビ-ムプラズマのため空間電荷の影響は受けずに直進するものとし、ビ-ム発散はこの面上で求められる。さらに、軌道計算は円形電極孔及びスリット状電極孔の何れの場合でも可能である。
下山 巖; 馬場 祐治; 箱田 照幸; 平尾 法恵; 島田 明彦
no journal, ,
炭素材料へのヘテロ原子ドーピングはこれまでも半導体,光学材料,電界放出,水素吸蔵,二次電池,キャパシタなどの機能性向上に用いられてきたが、炭素の触媒活性に関する報告が近年相次いだことから非常に大きな注目を集めている。しかしヘテロ原子ドーピングにより発現・向上する機能性についてはまだまだ未知の領域が多い。本発表では発表者がこれまで調べてきた炭素材料の機能性のうち、(1)触媒活性、(2)吸着脱硫特性、(3)有機薄膜配向制御に関するヘテロ原子ドーピングの効果や役割について紹介する。その中で放射光を用いた軟X線吸収分光法、X線光電子分光法によるキャラクタリゼーションと分子軌道計算による電子構造解析が機能性炭素材料の設計指針を与える有効な手法となることを示す。
下山 巖; 馬場 祐治
no journal, ,
カーボンアロイ材料の吸着脱硫材への応用が可能かどうかを確かめるため、NとPをイオンドーピングした高配向熱分解グラファイト(HOPG)上でのチオフェン吸着特性について調べた。また、照射損傷の影響を調べるためArイオンの室温照射と800Cアニーリングを行ったHOPGも作製し、これらの試料に対してチオフェンガスを飽和吸着させた。チオフェン吸着後XPS測定によりチオフェン被覆量を評価した。チオフェン吸着量とドーパント濃度から各試料のチオフェン吸着能を比較するとPドーピング試料はNドーピング試料の約20倍のチオフェン吸着能を示し、室温Pドーピング試料は高温Pドーピング試料の約10倍のチオフェン吸着能を示した。我々はP K端NEXAFSの偏光依存性解析により高温でのPドーピングは平面構造のPサイトを形成し、室温でのPドーピングは曲面構造のPサイトを形成することを明らかにしており、これらの結果は曲面構造Pサイトが形成された場合に高いチオフェン吸着特性を持つことを示している。これらの結果を分子軌道計算を用いた最小エネルギーパス解析結果と比較し、Pドーピングがチオフェン吸着特性を向上させることを確認した。